自閉症支援のプロ、トモコ先生が
大人になった全国の自閉症スペクトラムの人々と語り合い
自閉脳のゆえに社会で直面する苦労と
その解決策を探る。
自閉症支援に関する最新の知見もわかりやすく学べる一冊。
この本でわかること
・「社会性の障害」って奥が深いんだ。お友だちができないだけじゃないのね。
・自閉脳で学校時代・企業社会を生きると、こういう勘違いをしがちなんだ。
・でもその困難を、克服してきた人たちがいる。自閉っ子も必ず成長するんだ。
・こういう風に語りかけると、自閉っ子たちにわかりやすいんだ。
・だからこそ自閉圏の人と接するには、自閉症に関する知識があったほうが絶対にいい。「優しさ」だけでは支援にならない。支援には、知識が不可欠。
・でも心配はいらない! 自閉症への知識を深めるにもこの本は最適。効率よく「本当に効果のある」自閉症支援について学べる。それは、当事者の方たちの生き様そのものに基づいて自閉脳の特性を説明しているから。
・それと、企業との交渉の仕方もよくわかる!
ここに登場する成人当事者の方たち
安和盛雄さん
勉強はできるいじめられっ子だった幼少時代。進学校から高偏差値大学へ。でも企業社会には適応できず解雇にも遭う。診断を受けたあと適応の仕方を探り、現在は二児の父として一家の暮らしを支える。
雲下雨音さん
中卒後大手メーカーに就職後、40代の今も勤続。障害を会社でカミングアウトする方法を工夫しながら、結婚も仕事も大事に守り続けている。
雨野カエラさん
高校中退後在宅生活へ。旅行のつもりで渡った北の大地で大事なものとの出会いがあり、そこから社会との接点を探る。
自閉っ子は
必ず成長する
服巻 智子 著
1,800円+税
――目次――
●最初に 当事者から学ぶのは、とても大切なこと
●一家の大黒柱として家族を支える 安和盛雄さん(システム・エンジニア、精神保健福祉士)
仕事のやり方を改善したきっかけ
セルフ・エスティームが下がらなかった理由
悩んできたから、メンタルヘルス関係の仕事は向いている?
なぜ上司が助けてくれるようになったか
立場をわきまえる
会社って利益を出さないといけないんだ
結婚について
家庭に対する責任
本から学ぶ
高すぎる自己評価が困るとき
体調の管理
ヒマでネットにはまる
組織は合わない?
一家の大黒柱として
自助グループの限界
メンタルヘルスの保ち方
依存症について
お金の貸し借りはしない
イジメがどう見えていたか
自閉症の人に対するイジメの特徴
「片づけられない=ADHD」ではない?
行動を始められない
就労のバリアとなるのはむしろ実行機能障害
なぜ宿題ができないか
高学歴の罠
安和さんとお会いして 感動的な成長
企業の仕組み
学歴に依存しない
今の仕事と夢の仕事
自分が努力する
トモコ先生から一言アドバイス 安和盛雄さん
●とにかく、働き続ける 雲下雨音さん(大手メーカー社員)
職場でのカミングアウト
大企業と中小企業の違い
口の利き方
許せないことが多くて
死んだほうがましかも、と思っていたけど
言葉が達者だと起きるトラブル
なぜ会社を辞めないのか
同い年の子とうまくいかない
シンプルな生き方
反抗的じゃない、理屈が通ればわかる
診断について
アスペルガー同士の関係は難しい
感情を処理する方法
老後は?
子どもたちへのメッセージ
社会性って?
努力する姿を見せる
職場でどういうサポートを得ているか
雲下さんにお会いして 課題は変化への対応
企業の言い分
成人当事者の集まりは必要か
限界は広がるのか
「かわいそう」だけでは始まらない
理解は強制できない。共感によって生まれる
就労の条件
トモコ先生から一言アドバイス 雲下雨音さん
●北の大地で、大事なものたちと出会う 雨野カエラさん
一生懸命やっているのに、なぜうまくいかない?
診断について
仕事につくまでのこと
馬との出会い
仕事は好きでも人間関係がうまくいかない
障害者乗馬を始める
自分で開業する
支援者登場
好きなことで食べていける?
職場実習がダメだった理由
食べるために馬以外の仕事をできるか?
パートナー登場
雨野さんにお会いして 仕事の意味をつかめるか?
社会性の障害とは?
支援者に必要なのは何?
不登校
好きな仕事伝説
起業に必要なものは?
自閉っ子の感じる不安について
いい兆候
トモコ先生から一言アドバイス 雨野カエラさん
●自己認知支援って? 本当に効果のある自閉っ子支援を考えよう
「ありのまま」でいいのか?
自己認知支援に大切なもの
エネルギーが必要
障害告知の現場
自分を受け入れてほしい